窓まわりのコールドドラフトをシミュレーションする

この記事ではLadybug Toolsを用いて、建物の窓まわりのコールドドラフトを簡単に分析する方法を紹介します。
Rhinoceros6・Grasshopperにて、Ladybug tools1.1.0、Ladybug0.0.69プラグインを使用しています。

ladybug Toolsのインストール方法は下の記事にまとめてあります。

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コールドドラフトの影響を確認する

コールドドラフトは、冬など寒い時期に窓まわりで冷たい気流が足元に流れてくる現象です。住宅やオフィスで窓まわりにいると、足元に寒さを感じた経験がある方も多いと思います。
せっかく建物が暖かい環境でも、コールドドラフトによる足元の局所的な不快は、環境への満足度の低下につながります。
そこで、今回はLadybug Toolsを使ったコールドドラフトの影響の可視化を紹介します。影響を分析することで、どのようにコールドドラフト対策を行うか、アイディア出しのきっかけになると思います。

下のイメージは窓まわりのコールドドラフトを可視化した例です。窓の表面温度を15℃、18℃とした2ケースの結果を表しており、窓表面温度が15℃のケースでは、窓まわりの足元で空気温度がとくに低下していることがわかります。
(室内空気温度はどちらのケースも24℃で解析を行っています。)

使用したコンポーネントの紹介

解析にあたって、Ladybug tools1.1.0、Ladybug0.0.69のコンポーネントを使用しています。
コールドドラフトを解析する以下のコンポーネントがLadybugの旧バージョン(Ladybug0.0.69)のみにあるため、新旧バージョンを併用して解析を行います。(21年2月時点)

Ladybug_Window Downdraftコンポーネントは、窓サーフェス、窓表面温度、室内空気温度を設定することで、解析点のコールドドラフトを考慮した空気温度を算出できます。

Ladybug_Window Downdraft コンポーネント

下のイメージに、Grasshopperのデータセット一式を載せています。
直方体のシンプルなモデルを作成→床サーフェスをもとに解析点を設定→コールドドラフトの計算(上のイメージのコンポーネント)→結果の可視化といった手順になっています。

おわりに

今回は、クイックスタディとしてある条件の解析を行いました。こちらのツールは、年間のエネルギーシミュレーションと組み合わせて計算することもできるので、とても便利です。

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