この記事では、Ladybug Toolsの便利なコンポーネントを紹介します。
他の記事でもコンポーネントの紹介を行っていますが、個別の記事にするほどではないけど、便利なコンポーネントを紹介する、といったすみ分けでまとめたいと思います。
バージョンチェック
Ladybug Tools、計算エンジンともに日々開発がされているため、自身のツールで使用しているバージョンを確認したいときがあると思います。バージョンのチェックには下のコンポーネントが便利です。
- HB Check Versions コンポーネント:計算エンジンなどのバージョンチェックが可能
- HB Config コンポーネント:Ladybug Toolsで参照している計算エンジンなどのファイルパスが確認できる
整形でない建物での解析グリッドの生成
続いては、光環境や日射解析といったグリッドベースの解析を行う際に便利なコンポーネント(の機能)の紹介です。
整形でない建物の解析グリッドを設定すると、複雑なメッシュとなる場合がありますが、Ladybug Toolsより便利な機能が追加されました!
解析グリッドを生成するコンポーネントに_quad_only_インプットがあり、こちらをTrue/Falseで切り替えると解析グリッドの生成の仕方を変更できます。Trueにすると、選択したジオメトリ内に整形なグリッドが作成できます。
LB Generate Point Grid
コンポーネント
_quad_only_をTrueとした場合
_quad_only_をFalseとした場合
Honeybeeモデルからジオメトリを取り出す
Honeybeeモデルからジオメトリを取り出したい場合は以下の2パターンがあります。HoneybeeモデルをLadybugや別ツールに転用する場合に便利です。
HB visualize by typeコンポーネント
モデルのビジュアライズにも使えますが、Meshとして取り出し可能です。
HB Faces by Typeコンポーネント+HB Visualize Allコンポーネント
こちらでGeometryとして取り出し可能です。上のコンポーネントはOpenStudioなどと同様なカラー表示となりますが、モデルをビジュアライズする際の色(透明度も)を個別にカスタマイズしたい場合にも使えます。
Ladybug Toolsで内包しているデータチェック
Ladybug Toolsより、一部のコンポーネントでデータのアウトプット形式が変わっているため、Grasshopper上でデータをチェックする方法を紹介したいと思います。
Lagacyバージョン(旧バージョン)では、下のイメージにあるdry_bulb_temperatureアウトプットなどから直接データを見れたのですが、Ladybug Toolsからは少し仕様が変わっています。もしデータを見たい場合は、LB Deconstruct Data コンポーネントをつなぐと確認できます。
マネキンコンポーネント
こちらはLagacyバージョン(旧バージョン・Ladybug 0.0.69)のコンポーネントなのですが、マネキン形状のメッシュを生成できるコンポーネントを紹介します。
bodyPosture_インプットの数値を変更すると立位、座位などに変更できます。
Ladybug_Comfort Mannequin
コンポーネント
bodyPosture_: 0(立位)
bodyPosture_: 1(座位)
こちらのコンポーネントの活用方法としては、人体まわりでの日射、表面温度などの解析に使えそうな印象です。試行した際はぜひ記事にまとめたいと思います。
調べてみたところ、下のように座ったマネキンの顔部分のPointを取り出して、視線解析に活用している事例などがありました。(普通にPointをモデリングすればよいかもしれませんが、ユニークな例でした。)
Ladybug_Comfort Mannequinコンポーネントによる
顔部分のPointの抽出
おわりに
Ladybug Toolsはコンポーネントがたくさんありますので、全体を把握するのは少し大変かもしれません。こちらの記事が少しでも参考になれば嬉しく思います。他にも便利なコンポーネントを見つけたら、順次追加したいと思います。